「ヘムルタン」は魚介類をたっぷり入れた海鮮鍋です。ヘムルは漢字で「海物」と書いて海産物のこと、タンは「スープ料理の総称」、または「鍋料理」を表します。同じく「鍋料理」を意味するジョンゴルを用い、ヘムルジョンゴルともいい、また釜山(プサン)をはじめとした南部地域では、スジュンジョンゴル(水中鍋)ともよばれています。韓国全土で食べられている一般的な料理ですが、海産物を多く使うため、海岸地域でより多く作られる傾向にあります。釜山や済州島(チェジュド)など港町の飲食店には、ヘムルタンを扱う店も多く、市場に併設された食堂でも食べることができます。 ヘムルタンに使われる食材は多岐にわたっており、わたりガニ、手長だこ、大正えび、ムール貝、はまぐり、あさり、牡蠣などが多く、白身魚や高級食材のあわびなどが入っているお店もあります。ヘムルタンは、たくさんの海産物が入ることで、うまみが複雑に絡み合い、濃厚な味に仕上がったスープが絶品です。ヘムルタンに入れる材料に決まりはありませんが、ひとつだけエボヤというホヤの一種だけは、欠かせない食材だといわれています。生のまま入れるとエボヤの独特な磯の香りが加わり、ヘムルタンの風味が増すといいます。そのほか、春菊や長ねぎといった野菜類、えのき茸といったきのこ類なども入れられます。 |
ヘムルタンを食べ終えたあとは、残ったスープにごはんを入れて食べるのが定番です。スープを少なめにして作るのが韓国式で、ちょうど日本で作る雑炊とチャーハンの中間的な仕上がりになります。海産物のうまみが凝縮され、白菜キムチや、刻んだエゴマの葉、ごま油なども加わり、シメも魅力的な鍋料理です。 タデギという言葉は日本語の「たたき」から来ているという説が有力で、材料を細かくたたいて(刻んで)作ることからこの名前がついたといわれています。韓国固有の言葉でタジンヤンニョム(細かく刻んだ調味料)ということもありますが、現在のところタデギとよぶ人のほうが多いようです。 牛肉や牛骨を長時間煮込んで作るソルロンタンやコムタンの専門店では、客席にタデギが常備され、食べる人が好みでスープにタデギを溶き入れて味を調節します。また、丸鶏を水炊きにしたタッカンマリという料理では、タデギをしょうゆ、酢、からしと混ぜ合わせ、つけだれとして使います。スープ料理や鍋料理の味つけにも使われ、タデギによる辛さやコクがスープのだしとともに味の決め手にもなることから、飲食店ではそれぞれの店に秘伝のタデギがあるほどです。 1.あさりは30分ほど、あさり用塩水に浸けて砂抜きし、殻をたわしできれいに洗っておきます。 MEMO1.たらやあさりなどの魚介類は、塩水でまんべんなく洗うことで身が引き締まり、うまみが溶け出すのを防げます。
STEP-2:葉野菜を切る STEP-3:火にかける
STEP-4:煮込む
STEP-5:仕上げ
美味しく召し上がれ~♪ |